やる気の出ない著作権

作り手を“やる気”にさせる著作権とは
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0801/28/news012.html

まだナナメ読みしかしていないんだけど、ちょっといろんな問題を混ぜて一気に話そうとしているようで混乱するので、ナナメ読みのまま帰りの電車内でちょっと考えてみた。

ここで大きく書かれたり、最近の大きくなっている問題は2つかな。
「作ったモノがコピーしてばら撒かれてしまう」
「2次創作物を買ってに作って売ってるのはけしからん」
の2つ。


『作ったモノがコピーしてばら撒かれてしまう』
ここで上がっているのはYoutubeと音楽の私的利用。

YouTubeエヴァンゲリオンを見て『エヴァを見た』と思うなよと言いたい。テレビのでっかい画面で見る描線の動きがYouTubeで分かるのか。日本はアニメ先進国だが、アニメや漫画を見る作法がなっていない!」(島本さん)

これ違和感あった。例えばケータイのワンセグでアニメを見る事とどう違うのか。Stage6で見ればいいのか。ウチのテレビは未だモノラルなんですけどエヴァ見ちゃダメすか・・・とか(だって本当にモノラルなのだから!)。作り手が「こう見て欲しい」という欲求を持つのは悪い事ではないと思うのですが、例えばDVDのパッケージ等に「この作品は36型以上のディスプレイで見てください」とか書いておいてほしい。「俺の漫画はメシ食いながら読むな!集中しろ!」でもいい。モノラル14インチのテレビでエヴァ見たあとに、今更突然そんな事言われても聞いたほうは困ってしまう。DVDとして流通させず、最高の環境のため映画館でしか公開しないというならそれでかまわないが、まずそういう姿勢を見せようよ。ま、これは島本先生の失言。ここで出してくる話題じゃないけど、どうしても言いたかったので・・・。


本題。
商品をコピーして人に配るのは良くない。これはまあわかる。わかるなー。わかりやすい。その分儲からないからね。それで食べている人の事を考えると、それは出来ないだろう。いろんなモノがどんどんコピーしやすくなっているから、誰がいつ自分の身に降りかかるかわからないよ。ただ、ダウンロード違法化とかせめて言葉だけでも変えよう。
「ダウンロード違法化」じゃ、Webなんて全部ダウンロードだよ!って言われて当たり前。別の言葉を作ったほうがいいと思う。

しかしテレビで放送しているアニメ等をYoutubeニコニコ動画にアップするのをやめろというのは腑に落ちない部分がある。勝手に電波流しておいてそれはないだろう。広告収入とはいえ、ユーザーから見ると無料のテレビ番組。自分の部屋に勝手に見てくださいと飛び込んできたものを自分のものだと思ったって、そういう心理が働くのは普通の話だと思う。心理。ユーザーインターフェイスを作るときにはメンタルモデル「ユーザーはこういう仕組みで動いていると感じるだろうから、こういう操作手順にする」というようなものを想定して作っていくのだけれども、そういうメンタルな部分で腑に落ちない縛りつけはただただ納得の行き難いものになるよね。全部ペイパービューにしよう。もしくは広告と作品をもっと混ぜて、Youtubeに上げても広告が入るようにする。むかしはもっと混ざっていたのもあったよ。
グリコ、グリコ、グ〜〜〜リ〜〜〜コ〜〜〜〜〜〜♪(鉄人28号のOP曲のラスト部分)
作家性?スカパーでやんなよ。

あとは貸し借りとか売る時、譲渡の時。これは結構難しい。私がCD貸して上げる時、相手がそれを聴くプレイヤーは普段使っているiPodになる。その間、私のiTunesからその歌を消す?ありえない。んー。わかんない。保留。あと、部屋にモノ増やしたくないんだよね。デジタルデータ最高。環境的にもモノは少ないほうがいいんでしょう?はてブに誰かも書いていましたけれど、制作者に単にお金を払うっていう事が出来るといい。そしたら私はCDならレンタル→リッピング→制作者へお布施。これで気持ちよくモノも増やさず曲を聴く事ができる。


『2次創作物を買ってに作って売ってるのはけしからん』

これは、ある。実際同人誌の様子などを見ていると、オリジナルを作った制作者よりも儲かっている人がいますものね。オリジナルより儲けてはいけないとも言わないけれども、同人誌でなんであれ、1円でもお金が動くものであれば(それが広告収入であったとしても)ライセンス料を徴収したほうがいいと思う。数%とか僅かでもいい。でも、ここで問題になりそうなのが「こんなものにライセンスおろせません」という制作者側の主張。

わからないでもないんですけどね。目も当てられないような下手なもの下品なものもたくさんありますし、ね。私は世の中に出したものを、誰がどのように扱おうが全く気にしない、というか世の中に自分の作品を放つという事は、つまり全く意図しない扱い方をされるものでそれは誰にも止められないものだという気持ちがある。ただ、それでお金儲けをしているのであれば別の話。こっちだってそれでゴハン食べているんです。

こうしたらいいんじゃないだろうか、というのはある。
●とりあえず全ての2次創作物の使用料は徴収する。
●ライセンスが必要だという場合には審査する。
つまり、使用料とライセンスは本来別のものなのだから別のものとして扱う。その代わり全てのユーザーは自由に2次創作物を作る権利を得る。ただしオフィシャルにライセンスを取るのは別の話だよ、と。制作者側もそれに自覚的になる。これは認めたもの、これは認めていないもの。パロディと2次創作の境目もない。使ったら払う。買う側にもライセンスを取っているものなのかどうかが明確にわかる「何かが」必要になるかもしれないけれど。


法律の事はサッパリわからないのだけれど、こんなんだったらスッキリしないかな、と思う。だって2次創作物なんて、計画性の下に生まれるものばかりじゃなくて、「うっかり無自覚に出来てしまったものが素晴らしかったから出したい」って事もたくさんあるでしょう。似た違うものに関しては類似性云々や肖像権や侮辱罪とかの方でやってもらう。ファミスタの「くろまて」とか。この記事に書かれているアイコラもそう(しかし島本先生終始的外れな発言をしていますね…)。


真似だろうが、著作権を侵害していようが、アイコラだろうがエロな同人誌だろうが、素晴らしいものは素晴らしい。時にはオリジナルを超えるだろう。作ったときの心構えとかパクりだとか、そんなのは作品そのものとは全く関係がなく、全く別の話。
ただ、それだけで食べている人が居る事を忘れないほうがいい。


うわ!長っ!!!